何故、エネルギを貯蔵する用途にインダクタを使えないのか

今回はエネルギの蓄積と運搬を考えましょう。

電気回路の受動素子としては、

しかありません。電気回路に出てくる受動素子はこれだけですし、受動素子としての電 線の電気特性もこれだけです。

このうち抵抗はエネルギを消費しますから、エネルギを貯めて運ぶ用途には使えないの は明らかです。

一方、キャパシタンスとインダクタンスはエネルギを消費しませんから、エネルギの貯 蔵と運搬に使えそうで、実際、電気二重層キャパシタなどは、多量の静電エネルギを貯 蔵する用途に多用されていますし、電線ですと、長い同軸ケーブルの絶縁抵抗を高電圧 で測定した後放電させるのを忘れたりすると、感電事故を起こすことがありますから、 絶縁抵抗試験機には試験終了後の放電機能が付いているものも多く、付いていない場合 は注意事項として放電させるための指示があります。

ところが、コイルに代表されるインダクタでは、磁気エネルギを貯蔵して他の場所に運 ぶということはできません。

エネルギを消費しないという点では、キャパシタもインダクタも同じなのですが、後者 の場合は電気エネルギの貯蔵ができないのです。つまり、静電エネルギは静的貯蔵がで きるのに、磁気エネルギは静的貯蔵ができません。

何故、磁気エネルギを貯蔵できないのでしょうか?

これが今回の問題です。

平林 浩一 (), (C) 2010